2008年3月9日日曜日

胆汁の重要性

52歳,男

入院1ヶ月前から心窩部痛あり。入院3日前に近医に黄疸を指摘され,総胆管結石嵌頓が判明。当科紹介となりました。
入院後3日目にENBD挿入したところ,1日780-1350mlの排液ありましたが、
黄疸が増悪するとともに低ナトリウム血症も進行してきたために入院後14日目に内瘻化を施行。検査値は著明に改善しました。
胆道外科領域では胆汁が肝再生を促す効果がある効果があることが知られており、外瘻化した胆汁を飲むことが昔から行われてきました。
胆汁は腸肝循環を行っており、胆汁成分が腸管内にまったく入らない外瘻は胆汁の流れに影響を及ぼしている可能性があり、早期の内瘻化が重要であることを教えてくれた症例でした。